ケーキなプレイ【犬日々】

4/4
前へ
/27ページ
次へ
それから、押し倒してきた日比谷さんを申し訳ないが蹴飛ばし、これ以上を阻止することに成功。 おまけに、助けてくれなかった皐月の頭を叩いておいた。 日比谷さんのせいで、口の周りがベトベトだ。 ティッシュで拭き取りながら、ため息をつく。 「美味しかったよ、直紀くん」 満面の笑みでそう言われて、蹴ってしまった罪悪感からか何も言えなかった。 まあ、日比谷さんのことを許そうとは今は思えないけれど。 もうケーキの誘惑に負けて日比谷さんの部屋に行くのは止めようかな。 「めしうまありがとうございましたぁっ」 「皐月うるさい」 「バギュン」 部屋の中を転がりながらケータイを高速で弄る皐月を見ながら、空になった食器をキッチンへ運ぶ。 ご馳走になったのは事実なので、このぐらいはしておかなければ。 「皐月も喜んでるし…またしよっかっていう!」 「もうしませんからね」 後ろでテーブルをバンバンと叩きながら頬を膨らます日比谷さん。 それを皐月がまた撮ったらしく、日比谷さんにケータイを奪われていた。 頭を押さえ込まれてジタバタする皐月は、いつも以上に子供っぽい。 2人はどういう繋がりなのかよく知らないけれど、仲が良いんだな。 「あっ、この直紀くん可愛いっていう。僕にも頂戴」 「あっ、ちょ、勝手に!いくら出す?」 「皐月!」 「チュドン」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

237人が本棚に入れています
本棚に追加