同級生組【犬日々】

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――授業中 皐月は、よくペン回しをしている。 それも、簡単なものではなくて、結構すごいやつ。 授業中にふと見れば、ほとんどの確率で見ることが出来るのだ。 直紀は、それを見続けている時がある。 その視線に皐月が気付かない訳もなく。 どうしたらいいものか、と考えつつペンを回すのが皐月の癖だ。 と、それを観察しつつ2人の心中を読み取った華也が笑うのは、このクラスの日常である。 ――休み時間 「さっきゅんー」 「なんだいハニー」 「聞いてよダーリン」 目の前で繰り広げられる茶番劇のような会話をBGMに読書をする直紀。 黙々と読んでいるが、 「もー、なんでよー!ねぇ、ナオはどう思う?」 「別に良いと思うけど…」 けして聞いていない訳ではないのだ。 ――体育 始めの準備運動。 直紀は華也と組み、わりと真面目に準備運動をする。 「うっ、…い、た…ん」 硬い訳でもないが、柔らかくない直紀は、ニヤニヤする華也に強く押され痛みに耐える。 「も、…むりぃ」 「「「先生!お手洗いに行っても!?」」」 「よろしい。早く行ってきなさい」 この日、授業中なのに集団トイレがあったそうで。 オチなんてないよ!!
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