1,日常の終わり

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「それが育ての親に対する態度かモプ~!?」 「それとこれは別 いーくん困ってるから早く還してあげてよ オイラ、別に飯が肉じゃなくて骨でもいいよ」 「イヤャャア~~!!」 ナゴミは滝のような涙を流しながら甦生の術の準備を始めた 「ナゴミ、完璧にモプの尻に敷かれてる…」 庵は泣くナゴミと早くと急かすモプを見て、ナゴミを哀れむような気持ちになった ‘まぁ、ナゴミだからいいか とにかくこれで現世に還れば、ようやく高校生活を送れる やっと『束縛』から解放される…!’ 庵はこみ上げる興奮をなんとか抑え込み、ナゴミの準備を待った 「早くしろよナゴミ…!」 「もう暫しお待ちを~!」 甦生の術の準備に時間がかかるのは庵も分かっている しかし、待ちきれない庵は貧乏揺すりをしながらナゴミを急かした あと少しで現世に還れる そう思ったとき、その言葉が閻魔の間に響いた 「お前はもう、現世に還らなくていいぞ、成岡 庵」
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