1,日常の終わり

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この場にいた者達は、全ての動きが止まった シュタッ! 「えっ?」 突然何かが着地した音が聞こえると、庵は後ろに気配を感じた 「さっきの声は君か、ノワール…」 ナゴミは低い声でそう言い、庵の腕を掴み引き寄せた 庵が振り返ると、庵が立っていた場所に1人の男が立っていた 耳は尖っており、男の背には漆黒の闇のような蝙蝠に似た羽根、羽根と同じ色の髪は後ろ髪を緩く束ね、その頭からは灰色の対になった小さな角が生えていた 加えて高身長でニヒルに笑う男には、明らかに危険な雰囲気があった しかし、何故か庵はその男から目を離すことができなかった ‘…綺麗だ……’ 男の右目は燃える炎のように赤く、対称的に左目は美しい海のような青なのだ 「よぉナゴミ、またドジったみてぇだな?」 「ナゴミのドジはどうでもいい こんなとこに君が来た理由はなんだい?」 男を警戒するナゴミはローブから鎌を取り出し、庵を後ろに隠した モプも鬣を逆立て牙を男に剥けている 「おいおい…俺は別に戦いに来た訳じゃないんだぜ」 どうどうと手のひらを向けながら男は言った 「…ナゴミ、誰なんだ?」 「…彼は悪魔のノワール、 “邪神”と呼ばれている、冥土最強の悪魔だよ…」 ナゴミは男・ノワールの喉元に狙いを定めながら庵に教えた
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