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「自分じゃ気付かないな……」
「ハルは良く表情が出るようになった、それから良く喋るようになったね」
「……そうかい」
「前とは比べられないくらいだよ、ぼくビックリしちゃった。ねぇ、なにか良いことでもあった?聞かせてよ、5年の間に何があったのか」
空白をお互い埋めようじゃないか。
青い瞳にそう問われて、一瞬で頭に浮かんだその人物に、影が落ち始めたコンクリートの路を歩きながら春一はくすと小さく笑う。
「さぁ。特になにも無かったな、ただ凄くお節介焼きでお人好しな人間と出会ったよ。多分、その影響、かな……」
第十八幕へ続く――。
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