第十七幕 三人目

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「自分じゃ気付かないな……」 「ハルは良く表情が出るようになった、それから良く喋るようになったね」 「……そうかい」 「前とは比べられないくらいだよ、ぼくビックリしちゃった。ねぇ、なにか良いことでもあった?聞かせてよ、5年の間に何があったのか」 空白をお互い埋めようじゃないか。 青い瞳にそう問われて、一瞬で頭に浮かんだその人物に、影が落ち始めたコンクリートの路を歩きながら春一はくすと小さく笑う。 「さぁ。特になにも無かったな、ただ凄くお節介焼きでお人好しな人間と出会ったよ。多分、その影響、かな……」 第十八幕へ続く――。
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