第二十二幕 予感

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秋奈は知っていた。二週間前からナツメの様子が変わってしまったのを。 そして、変わったと言えば、春一が自分達のクラスにぱったり顔を見せなくなったこともだ。 大体予想はついていた。 何が起こっているのか、秋奈は全てを知らないけれど。 ナツメと春一の間に何かがあったということだけは断言できる。 自分達に相談してこないと言うことは、きっと話すことが出来ないことなんだろうと、彼女は推測していた。 「失恋かよ」 「え……」 「当たりだね」 「それは、……その、失恋とはいえないけど」 「似たようなこと、でしょ。派手な喧嘩でもしたか」 「どうして」 「見てれば大体わかるよ、なに、あたしにも相談出来ないの?」 冬吾はあてになんないけど、あたしもダメ?そう聞くと、ナツメは申し訳なさそうに目を伏せた。 「ごめん……」 「そっか。でもいつまでもそんなんでいたくないでしょ、仲直りは早めにした方が良いよ、春一クンだって……」 「できないよ」 「え?」 「仲直り、できないよ……」 前の時とは状況が違う。 元通りになんて、簡単にできるはずが無い。
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