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「ごめん、なさい……」
少し遅れて、彼らの連れだろうか、私立のエンブレムの付いたブレザー、おさげに眼鏡の、如何にも静かそうで気の弱そうな、女子生徒が今にも消えそうな声でそう言い。軽く会釈をし去って行こうとする。
「あ、あのっ」
呼び止めると、彼女は暗い顔を向けてくる。
「こっちこそ、ごめんなさい」
そうやってナツメが小さく謝ると。
彼女は目も合わさぬまま、そこで深く頭を垂れ、静かに団体の最後尾についていった。
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