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珈琲苦手って…
じゃあ何で喫茶店なんかで働き始めたんだよ…
って、気持ちは拭えないけど
菜奈ちゃんの性格上、ただ無意味に働いてるとは思えないし
きっと何か理由があったりするんだろうなぁ―…って。
は!?
オレ、気にし過ぎじゃね?
ただの行きつけの喫茶店のバイトの子だろ?
そんなの、バイトしてる理由なんて、どうだっていいじゃん!!
って、頭の中で自問自答までするのに…
苦い、苦い、言いながらも頑張って珈琲を飲もうとしてる菜奈ちゃんが気になって…
「あ~!もう、こうすりゃいいだろ!!」
堪らずにオレは立ち上がり、
カウンターに置いてあったコーヒーミルクを、菜奈ちゃんのカップに思い切り注ぎ込んだ。
「初心者なんだったら、この珈琲にはこれくらいで丁度いいっつーの!」
いきなりのオレの行動に、マスターは目を見開いたまましばらく固まっていた。
あーあ。
この喫茶店でのオレの知的でクールなイメージが
今、完全に崩れたな…(泣)
だけど、そんなの結局どうでも良くなっちゃうんだよ。
ただのオレのお節介に、バカみたいに
「ありがとう」
って笑う菜奈ちゃんを見て―…。
。
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