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……カランコロン……
小さな庭みたいな入口を抜けて、茶色い木の寂れたドアを開ければ
いつものベルの音が鳴り響く。
そこは
珈琲に五月蠅いオレが、唯一気に入った喫茶店。
『喫茶―AROMA―』
いわゆる常連。
店に入るなりマスターに、「いつもの」と伝えれば
当たり前のように、その日マスターが挽いた、一番のおススメブレンドが出てくる。
オレはそれを、陽だまりの出来る窓際の、いつもの席で待つだけ。
店に来るのは、決まって午後4時。
ランチも過ぎて、ティータイムも終わって、帰宅時間にはまだ早い
つまりは一日で、店が一番空いている時間だ。
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