リリー・フラン

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「ただいま…。」 私が帰るとドタドタ音をならしながら妹が2階から降りてきた。 「お姉ちゃん!ちょっと来て!」 そう言って私の腕にてをかけて引っ張った。 私は逆らうこともないまま妹の部屋へ。 「お姉ちゃん!誰にも言わないでね。」 そういって妹は箱からなにかを取り出した。 それは…白くてふわふわしたウサギだった。 「かわいいでしょ?さっき捕まえたの。」 私はウサギがかわいそうで仕方がなかった。 小さく震え、今すぐ逃げたそうにしている。 「アン…かわいそうだよ。今すぐ逃がしてあげな。」 紹介が遅れたが妹はアン・エリザベス・フランという。 「やだよ!かわいいもん。逃がさない!」 そういって私を突き飛ばした。 私の中に怒りの感情が溢れた。 その感情が魔法に変わった。 部屋の窓が自然に開き、妹が持ち上げられ、外に落ちた。あわてて窓のそとをみたが、死んではいなさそうだった。わたしは妹よりウサギが心配だった。 「大丈夫?」 ウサギの背中を撫でて話しかける。 「ありがとう。」 ウサギが喋った。これも魔法のおかげなの? 部屋から出ていくウサギに「よ、よかったね。」 といって別れた。 ウサギと話すのは初めてだ。この驚きをディーンに伝えたい。そう思って家を飛び出した。
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