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「カノンは支度は?準備は無いって言ってたけど」
そろそろ2番隊をおいとまして出掛けようと言うと、ロイスに聞かれる。
「大概の物はボックスに入ってるから、何処に行っても困らないよ?拠点には防寒グッズも揃ってるし」
「流石、抜かり無いね」
「急な任務で何処に呼ばれるかわからないし、直ぐに行かなきゃならない時が多いからね」
「そうか」
ロイスが納得した所で、スティングに、じゃあね、と手を振り裏庭へ。
ブルーノ?奴は知らん。
「お気を付けて」
ロイスにだけ言ったスティングに、笑みが溢れる。
何気にロイスを気に入っちゃってるよなー?
スティングが毒を吐かずに懐くとは。
まぁ、母さまによく似た、おっとりほんわかした雰囲気には毒気も抜けるよな。
僕はロイスを連れて2番隊エリアを抜けて1階へ降りる。
「あれ?出入り口はあっちだよね?」
玄関と反対方向に進む僕をロイスが止めるが。
「ロイスには僕の予備を貸すから、直接拠点に行くよ?だから裏口から裏庭に行こうとしてるんだよ」
説明すると、流石に此処で迷子にはならないか、と笑った。
「流石に無いから。でも学園では何時も迷子になりそうになるよ」
方向音痴とバレている僕は、大人しく白状する。
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