僕達の異世界交友録にっ

採取難易度高ランクの薬草

コートを脱いで、一息吐く。

ロイスもコートを脱いで、ソファーに座ると、ボックスからティーセットを取り出して紅茶を淹れてくれた。

「お疲れ様。カノンのお陰で助かったよ。有り難う」

「僕もロイスのお陰で見付けられたからね、一緒に来て良かったよ。お礼はいらないよ」

寒さは感じないが強い風のせいで強張っていた身体が、温かい紅茶のお陰でほぐれていく。

それから暫く雑談して、ロイスは一度屋敷に帰ると言うので、またギルドの裏庭に転移する。

其処からロイスは転移で屋敷に戻るそうだ。

明日は中腹の拠点周辺で採取してみると言うので、拠点からあまり離れない様に注意する。

さっき中腹の拠点に行った時に氷山の主にはロイスの説明をして、僕の親族なら歓迎する、と許可を貰ったが、それで安全とはいかないからな。

また今度案内するから、と約束して納得して貰った。

ロイスを見送り、僕は裏口からギルドに入り、シヴァルの執務室へ。

特別な依頼だから、受付ではなくて直接ギルマスに報告になる。

ま、最高難易度の素材なんか受付に持って行ったら、大変な事になるからな。

奪って、自分の手柄にすれば、贅沢をしなければ一生働かずに生活出来るだけの賞金が貰える。

そう言う生業の者でなくとも、目が眩んでしまう者は少なくないだろう。