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《そうだ。なので龍国に場所を用意したからと、緑王様のご命令で来たのだ。だがまだ卵が孵らないので動けぬと言われてな》
ウインドドラゴンは申し訳なさそうに言う。
そうか。
「なら転移させますか?貴方が場所を思い浮かべれば其処に送れますけど。このまま此処に留まられてしまうと、討伐しなくてはいけなくなりますので、そうして貰えると此方も助かりますが」
そう言うと、目を見開いたウインドドラゴン。
《その様な事が出来るのですか?ならば是非お願いしたい》
「では、奥の仲間に伝えて下さい。自分達が中に入っても大丈夫なら簡単に転移出来ますが、そうでない場合は方法を変えます。念話で教えて下さい」
そう伝えると、ウインドドラゴンは、わかった、と奥に入って行った。
そして暫くして、ウインドドラゴンから念話がきた。
《虹王様の主様のみ、中に。皆、貴女だけは信じると約束したので》
なのでクリスを見張りに残して、僕だけ奥に進んで行く。
迷路の様になっているが、ウインドドラゴンの通った魔力の後が残っているので、なんとか辿り着いた。
迷子にならないようにしてくれたんだろうな。
大きく空いた空間で、ウインドドラゴン達は身体を寄せ合って固まっていた。
卵と雛はちゃんと抱えられているようだ。
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