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《ま、実際に探るとなると、マスターの指示を仰がないとだから、取り敢えずは》
「帰ろうか」
「あ、うん。わかった」
何かに見張られてるのか、な。
木の伐採はまた今度にしよう。
気配も魔力も感じないけど、嫌な感じなこの場所を、クリスと共に転移で去った。
静寂が訪れた洞窟前。
だがその数分後。
「結界?小賢しい真似を」
ガゴン!
「いっ!?俺のパンチで壊れない、だと?何なんだ、あの銀ローブは」
ガゴン!ドゴン!
「ガァッ!痛い!足が、足がー!何なんだこの頑丈さは!俺のキックでも壊れないだと!?ならば魔法で。【ダークカッター】……ギャーッ!?跳ね返ってきたー!?」
ドッカーン!
「ギャーッ!」
パラパラパラ。
「な、威力倍増……?うっ、腕が痛い!へ?俺の腕!?うわぁっ!粉々ーっ!?」
予想通り僕達を見張っていたらしい黒い影が、1人コントを繰り広げていたのを、僕は知らない。
父さまはルシとこっそり見てたらしく、翌日、黒猫姿のルシが遊びに来て、楽しそうに教えてくれたけど。
僕も是非とも見たかったよー。
で、その黒い影は魔族とは関係無い他の世界の転生者で、この世界に干渉しに来たのだとか。
ザワザワチリチリはそいつのせいか。
傍迷惑な。
父さまがあっさり倒したそうだけど、気配も魔力も感じない相手も居るのだと思い知らされた出来事だったよ。
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