中間テストと指名依頼

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結局、その男は世界の名も神の名も教える事は無かった。 ま、知ってるけど。 言えない様に何かされてんだろうな。 ただ。 「転生者仲間だった誼で教えてやると、お前、地球の神に無許可で殺されて転生させられてるんだ。上手い事を言われて利用されてると気付かないなんて不憫だな」 そう言って、世界の理、神の理を教えてやると。 「力をやるから転生者を探し出して皆殺しにしてこいと言われた。そいつらが俺達の世界を脅かす、と」 ほー。 「今この世界には転生者は居ないぞ。地球出身の勇者とその仲間や前勇者は居るけどな。俺が召喚陣を弄って巻き込まれも安全に召喚されて魔王を倒せば帰れる様にしたからな」 「な……帰れる?安全にって死んで無い?」 「ああ。俺は死んで転生させて貰ったが、そんな事はもう無くしたかったからな。んで、さっきも言ったが俺は既に死者だ。転生者は居ない。ま、地球人を殺せって事なら阻止させて貰う」 俺の笑みに、目を見開いてから、項垂れる転生者。 「このままではお前は駒として他の世界に送られ、用が済めば殺されるだろう。今、俺と来ればそんな人生と決別出来るぞ?」 出来るだけ優しく言うが、それで説得されてはくれなかった。 「いや、友達があの世界に居るんだ。一緒には行けない」
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