2469人が本棚に入れています
本棚に追加
/1646ページ
途端に男子達から殺気の籠った目で睨まれる。
は?
何故、殺気を向けられるんだ?
この程度は何でも無いが。
絡まれると厄介だからと、列から視線を外して(元々見ていた訳でも無いが)ステージを見ながら、更衣室の出入口に意識をやる。
と、カノンが丁度出てくる様だったのでそちらに目をやる。
そして出てきたカノンのドレスは白ではなくてパールピンクだった。
……肩ので出てる。
オフショルダーって言うんだっけ?その襟に薔薇のモチーフが並んでいる。
上半身は他に飾りが無くスッキリしているが、下半身はフワッと膨らんだ長い裾にやはり薔薇のモチーフが並んでいて。
そこから薔薇の蔦の様な、葉のモチーフが付いた細いチェーンの飾りがスカート部分にぐるりと巻き付きながら上に伸び、お腹の辺りで先端が薔薇の蕾のモチーフと繋がっていた。
「あ、聖雅、似合ってるねー」
カノンのドレスに見惚れていると、カノンが声を掛けてきた。
「カノンも凄く似合ってる」
そう言うと、カノンは俺の横に来て、白が無くてカラーだけだったから迷っちゃったよ、とそっと囁いた。
置いてある衣装の事は言えないからな。
此方はカラーのも有ったが半分くらいは黒だったな、と囁き返せば俺を見て。
なのに黒は選ばなかったんだねー、と囁いて笑った。
最初のコメントを投稿しよう!