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ドレスの裾に足をとられるのか、ゆっくり歩くカノンに合わせてステージ中央に進み、正面を向けば、更なる歓声が上がった。
そして司会が俺達に言う。
「さあ!お相手をお姫様抱っこして頂きましょう!」
う、きたか。
恥ずかしさに頬が熱くなるのを感じながら、片腕を背中に、片腕を膝裏に通し、カノンを抱えあげた。
カノンが自分の腕を俺の首にまわしてくる。
うわっ、そんな上目遣いで見たらヤバイって。
と、次の瞬間。
「うおぉーっ!流石だ!ふらつきもせずに一気に軽々と抱えあげたぞーっ!」
司会の叫びに、会場は大盛り上がり。
軽々と、と言うのがポイントが高いらしい。
ならば、と、俺はカノンを抱えたまま、クルリとその場で一回転した。
するとキャーキャーと女子の声が響く。
お辞儀をして、カノンを抱えたままステージを歩きの階段を降りた。
足元が見えないのにしっかり降りられれば、またポイントが上がるよな?
降りた途端にまた次のカップルの男に睨まれたけど。
女子は目をキラキラさせてパートナーに期待しているらしく、ちょっと申し訳無い気持ちになりかけたが。
でも彼女を守るために鍛えてない奴の自業自得だよな?睨む暇が有るなら鍛えやがれ。
俺は謝らないぞ。
そんなこんなで、コンテストの俺達の出番は終わった。
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