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額を押さえて踞るベックの頭にリーフラットがジャンプして乗り、毛繕いを始めた。
完璧に馬鹿にされてるなぁ、ベックは。
「皆が食べてるものは自然が恵んでくれてるものだよね?ちょっとくらい、とか思うかもしれないけど、皆がそれをしたらどうなる?」
僕の言葉に女子2人は、あ、と青ざめる。
「壊した自然を回復させるのには、何年も手入れが必要だ。だからギルドでは登録時に説明するし、それを守れない様な奴は隊員になれない。国も同様で、ギルドから登録者の働きは報告される」
それを聞いて、黙り込む皆。
「それに、回復の為の労力と必要な費用も払わないといけない。その金額は莫大だ」
それには男子達も青ざめる。
「保護者のサインを貰う参加希望のプリントに、その辺の注意事項は書かれてるんだけどねー。読んでないのか?」
僕はそっとリーフラットを捕まえて、浮かれて大事な事を見落としてると、大変な事になるよ、と言うと。
ベックは、ううー、と頭を抱え。
他の皆も、ハァ、と溜め息を漏らした。
「さて。皆がどこまで動けるか見たかったから、いきなり模擬戦形式にしたけど、皆はまず予測不能の攻撃を避ける訓練をしないとだね」
僕の言葉に、げ、と言う顔をするメンバー。
そんな彼等に、上を目指す割には気概が無いよな、と内心、溜め息が出る。
Sクラスに居られるくらいの恵まれた力があるから余裕、って事なのか?
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