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「確か書類では『蛇の尾』所属になってましたね。ただ、問い合わせたら、カードを作っただけでそれから1ヶ月間、依頼を1つも受けていない為に、登録は抹消されてるそうです。ランクはA」
「ほう?依頼を受けずにA?」
「『蛇の尾』のマスターの古い知り合いの紹介とかで、それが元盗賊の頭で、足を洗わせるからって事で、試験での結果で決まったそうです」
「つまり、受付しようとしても出来なかったんじゃないか。馬鹿だな」
拘束された男を見て言うゾルドに、男は驚いているが。
「あー、何だ。これならもう番号隊員が受けて向かった。どちらにしても受付出来ない」
持ってた依頼書を見て、眉根を寄せて言うゾルド。
依頼は、盗賊の討伐だった。
そんな!と叫び暴れようともがく拘束された男。
「畜生!計画が台無しだ!」
「計画?フン、これを受けて逃がすつもりだったのか?ま、お前は暴行未遂で憲兵に引き渡すからな」
ゾルドの言葉に項垂れる男は、こんなガキ共に、と目線だけ上に上げて、僕とライルを睨む。
「「は?ふざけるなよ?」」
思わずライルと共に、殺気を向けてしまう。
その途端、男はガクガクと震えた。
「相手の実力も計れない癖に喧嘩を売るなよな」
「こっちもAランクなんだよ。ちゃんと依頼を受けてるな」
呆れて言う僕に、ライルもバカにする様に続けて言えば、男は悔しそうに目を反らした。
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