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受付のお姉さんはクスリと笑って。
「依頼は此方になります。頑張って下さいね」
と依頼書を差し出した。
チームメイトはカードから目が離せない様なので、有り難うございます、と僕が受け取る。
第2チームに場所を譲る為に、メンバーを受付から剥がして横に避けた。
「初カードで嬉しいのはわかるけど、依頼書を見なくて良いの?」
僕が掛けた言葉にハッとしたメンバーは、全員使える様になったボックスにカードを仕舞うと、僕の持ってる依頼書を眺める。
「えーと……採取依頼?え、討伐じゃ無いんだ」
デルがガッカリして言う。
捕まえた魔物を倒す授業を数回経て、自信をつけたのか。
だけどそれは危険だ。
無闇に命を奪いたがる、魔物を嘗めている、等は、世界のバランスを崩すし、命を落とし易くする。
「討伐より重要だよ。これは魔物から素材だけを採取する様に指示されてる、難しい依頼だ」
そう教えると、僕をポカンと見るデル。
どう言う事かわかってないのか?
他のメンバーも僕を見る。
「殺さずに済む魔物を、採取するからと殺してたら個体数が減って絶滅するだろ?だから魔物を傷付けない様に捕まえて、素材だけ分けて貰うんだよ。つまり攻撃魔法を対象には使っちゃいけない」
それを聞いたメンバーはええー、と不満そう。
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