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「夜の見張り……そうか、そう言う心配も有るのね。歩きでも疲れそうなのに、走ったら起きてられそうに無いわね」
レベッカがそう頷いた事で、他の皆も頷いて、歩きで行くことに決まった。
「私はあくまでも付き添いですので、後ろからついていくだけです。自分達で地図を見て現地に向かって下さい」
トレムさんにそう言われて、なら俺が先頭で行く、とデル。
幼い頃から父親に連れられて各地を歩いているから、と。
傍迷惑な趣味だよな、と苦笑いのデルだが、仕事の合間にデルに生きる為の経験を積ませる為の行為だと気付いているのか、目は優しく笑っていた。
兎も角、皆はそんな経験が無い為に誰も異議を唱える事無く、デルについていきます!と了承した訳で。
ニーグに行ってきますと声を掛けると、デルを先頭にギルドを出て歩き出す。
僕はやっぱり後ろでトレムさんと遺跡の調査の話をしながら、のんびり歩いた。
街の東側の門に到着し、ギルドカードを提示して門の外に出る。
テンション高めで前を歩く面々に苦笑いしながら思う。
初めてとは言え、取り敢えず注意はしなくても大丈夫かな。
一応、シルビアとクランがちょこちょこ感知で周囲を確認してるし、デルは気配に気を付けてるし、ロッソも風の匂いに気を付けてるのか、鼻をピクピクさせてる。
レベッカは目が良いからか、目視で周囲を探って、花を見付けては、綺麗ね、とシルビアに教えている。
ベックは……軽く周りを見てるだけか。
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