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昼食後は再び街道を歩いて。
街道から離れ森に入る細い道との分岐点に到着。
「此処から森に入るんだけど、俺も街道から離れた事が無いんだよな。だから皆、気を引き締めてくれ」
そう言ったデルに、皆は不安そうながらも頷く。
街道はある程度安全に通行出来る様に、所々、魔物避けの魔法陣が刻まれた石が路面に埋められている。
が、細い道に外れると、それは無い。
村と村が近くて行き来が多ければ、ギルドに依頼して道に魔法陣が刻まれた石を埋めて貰う事もあるが。
つまり、此処からは魔物に襲われる危険があるよ、と言う事だ。
「森の中を歩いた経験が無いなら、注意しとくよ。魔物を気にして周りばかりに気を向けていると、足元が危ないよ。木の根が飛び出してたり、滑り易かったりするから、1歩ずつ確実に足を降ろす事を意識して」
相変わらず後ろに居た僕が口を開くと、ベックが、なら先に行ってくれ、と言う。
「良いの?」
クスリと笑って先頭に出ようとすると、ロッソが慌てて止める。
「待って。風を考えると、カノンは後ろに居てくれた方が安心だよ」
流石は風を読むのに長けてるね。
向かい風の今は、背後からの魔物に気を付けなければいけないからね。
「ロッソが言うなら、カノンは後ろをお願いするよ」
デルもそう言うと、ベックは不満そうに頬を膨らませた。
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