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「先頭は俺が行くよ。前に魔物が居れば匂いでわかるから」
ロッソがそう申し出て、なら俺はロッソの隣な、とクラン。
「ロッソが見付けた魔物が襲ってきたら、俺が攻撃に出る」
そんなクランの言葉を聞いて、デルはシルビアとレベッカに、2番目に歩く様に告げる。
「ベックは俺と後ろを歩く。これでバランスは良いかな。カノンは俺達で対処出来ない魔物を頼むよ」
デルの言葉に僕は了承した。
取り敢えずは此処には彼等でどうしようも無い魔物は居ないしね。
ただ、魔人は突然現れたりするから、気を抜けないのは僕も同じ。
魔物の群れも、規模によっては、学生の範囲内での戦闘ではかなり厳しくなるだろう。
その場合は不可視結界でも張ってトレムさんに頑張って貰った事にでもするか。
そうして慎重に森の中を進む。
時々魔物が襲ってきたが、低ランクのものばかりで、彼等だけで難無く倒した。
「討伐依頼ではなくても、戦闘にはなるんだな」
今更ベックが呟く。
「ああ。でも依頼は殺しちゃいけないんだから、大変そうだよな」
隣を歩くデルは、簡単に魔物を倒せてしまう事に依頼の難易度が高いと実感し始めた。
それはクランとロッソも同じな様で、段々と不安そうな顔になっている。
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