依頼授業は大変だ

8/41
前へ
/1646ページ
次へ
あー、ハイハイ。 もう何か言うのは止めようかな。 なんだか面倒臭くなってきた。 ギルドの隊員と比べてしまうのは良くないとは思うけど、彼等は誰のアドバイスだとしてもちゃんと聞き、どう言う事か質問をしてくる。 聞き流したり不満をぶつける事はないからな。 そんな事を思いながら彼等を見ていると。 彼等はキョロキョロし、1本だけポツリと立っている大木を見付けて、その下に場所を定めた。 彼等がボックスからテントを取り出して設置するのを、木に持たれながら座りトレムさんと眺める。 するとデルがやって来た。 「カノンはテントに寝ないのか?女子のテントがまだなんだが」 デルに聞かれて、テントには入らない、と答える。 「女子のテントも手伝ってあげなよ。男の方が多いんだし」 そう返すと、わかった、と去っていくデル。 戻ったデルにベックが何か言っているから、僕への文句なんだろう。 が、協力して女子の分のテントも設営し終えて、円になって話を始めた。 「加わらないのですか?」 トレムさんが僕に問い掛ける。 「どうも厳しい事を言っちゃいそうで。それに、風下の方で、彼等では手に負えないものが群れで居るし」 僕の答えに、トレムさんは目を見開く。 「え、私には感じられませんが」
/1646ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2469人が本棚に入れています
本棚に追加