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「それって全然見る気無いじゃん。人にやらせて済ます気か?それに1匹で自分達のランク以上だけど、100もの群れをどうやって倒すつもりだ?死にたいのか?」
僕の言葉に、戸惑って顔を見合わせる彼等。
「100って…………やだ、本当だ。あんなに強いのが100以上……」
シルビアはあの場所まで感知出来たらしく、確認して震える。
「なっ、本当なのか!?」
クランが聞くとシルビアが頷いたので、皆は恐怖に顔を引き攣らせた。
「今はまだ様子を見てるけど、解体なり食事の用意なりし始めたら、直ぐに来る」
僕が目線を低木の方に向けたまま言うと、ロッソは風が向こうに流れるとわかり、僕を見た。
「カノンは結界を張れたよな?結界があれば問題無いんじゃ無いか?」
と、僕ではなく、トレムさんが口を開いた。
「それを当てにしますか?やって貰うのが当たり前、守って貰って当たり前と思う者に、誰かを守る仕事は出来ませんよ。自分の身すら自分で守ろうとしないのなら、直ぐにリタイアして帰りなさい」
今までの優しい雰囲気から一転、冷たい声で厳しく言われ、皆は息を飲む。
「カノンさんはギルド隊員ですから、これとは別に、休みの日に、他のチームに合流しているメンバーと改めてテストを受けなければなりません。見守る役目の彼女があなた方のチームに手を貸す理由は無いんですよ」
「よく知ってるね」
続いたトレムさんの言葉に驚けば、その付き添いも頼まれてます、と笑った。
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