依頼授業は大変だ

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「もっとも、同じランクでは付き添いと言うより見学になりますかね?」 僕に笑ったトレムさんには、もう先程の冷たさは無かった。 「解体は私が教えます。実践は君達ですが。カノンさんは彼方を警戒していて下さい」 トレムさんの言葉に、僕は頷いて低木の方に身体を向けた。 それを見て、シルビアが呟く。 「カノンがアレの相手をするの?」 それにはトレムさんがちゃんと事情を説明した。 「付き添いと言う意味では私とカノンさんはチームですから、共闘するのに一番良い方法を取るとこうなります」 それに納得したデルは。 「よろしくお願いします」 そう言ってボックスから魔物を取り出した。 トレムさんは素早くデルに指示を出し、大まかに切り離す部位を指示して解体を始めた。 クランとロッソも加わり、部位毎に解体を進めていく。 残り3人は気分が悪くなったのか、顔を背けて青い顔をしている。 それでもレベッカは、チラチラと見て解体のやり方を覚えようとしていたが。 と、血の匂いに、とうとう魔物達が動き出した。 「っ!来る!」 ずっと感知したままだったのか、シルビアの肩が跳ね、叫んだ。 皆の手が止まり、息を飲んでいる。 僕は刀にした銀河を手に取り軽く構えて待つ。 「シルビアさんは防御の用意をして下さい」 トレムさんは落ち着いた声で、シルビアが慌てない様に言った。
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