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しかしその残りの5体、いや、実際には3体が厄介だ。
群れのボスとその側近。
他のサンドウルフより一回り大きく俊敏だ。
まずは他の2体を倒してしまおうと、駆け出して距離を詰めた。
その事で、脇を抜けられると判断したのか。
2体を残して3体のサンドウルフが此方に向かい駆けて来て跳躍した。
斬撃が届く距離になりまずは2体に斬撃を放ち、頭上を跳び越え様とした、ボスとみられる一番大きい1体に銀河を突き立てた。
僕の左横を通り抜けようとした1体にはウォーターボールを当てる。
右の1体には抜かれたが、銀河を振ってボスを投げてぶつければ止まる。
そこにウォーターボールを投げて当てれば、最後の1体も倒れた。
僕は銀河を仕舞い、倒れたサンドウルフを低木の方向に風魔法に乗せて投げていく。
別の場所に集めて、そちらに他の魔物の意識を持っていかせるのが狙いだ。
地面に落ちた血は土魔法で地中深くに埋めた。
これでこの辺りで寝ても安心かな。
作業を終え、ふぅ、と一息吐いて振り返る。
と、ポカンと呆けている一同の顔が視界に入った。
「凄いですね。取り零し無しですか」
トレムさんまで目を見開いて、呟く。
「まぁ、このくらいは処理出来ないと不死鳥ではやってられないからね」
僕は苦笑いで取り敢えずそう返しておいた。
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