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焚き火の横で座っている輪に加わると、デルが、済まなかった、と頭を下げた。
「へ?」
何が?と驚くと、シルビアが口を開く。
「あの魔物、サンドウルフ?あれは、私達ではどうにも出来ずに、きっと死んでた」
魔力感知を続けていた為に、嫌と言うほど恐怖を感じたと言う。
僕が戦ってる間、皆も感知して、サンドウルフがどれだけ強いかを実感したのだとか。
「どこかで、カノンは口だけ出して、って思ってたんだ。だけどさ、さっきの見たら、俺、何やってるんだ、ってさ」
だからゴメン、とデル。
「別に僕に謝らなくて良いよ。ただ、考え方1つで将来が変わるから、自分に謝る事にならないと良いけど、って助言しただけだから」
そう言うと、ポカンとされた。
「あ、年寄り臭いって自分でもわかってるから言わなくて良いよ。ライルもそうだけど、ギルマス補佐みたいな事をやってると、色々な人を見るからさ。今の内なら意識が変われば将来が楽しみだとか、そう言う目線になっちゃうんだよ」
肩を竦めて続ければ、あっ、と声を漏らす皆。
「そう言えば、ギルマスの養子だっけ」
ロッソの呟きに頷けば、レベッカが溜め息を吐く。
「はぁ、カノンは完全にギルド側の立場なのね」
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