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「まぁね。僕達は別で受けるから、今回は手出ししない様に言われてるし」
そう返すと、それならそうと言ってくれれば、と言われる。
テストだから、とは、皆がニーグの言葉を忘れてる様なので言わない方が良いのか?
と。
「最近はイレギュラーが多いですから、ギルド隊員も依頼は2人以上で受ける様に言われてます。ですが今回は人手が足らず、学園に不死鳥の隊員が複数いらっしゃるので、サポートをお願いしたんですよ」
トレムさんが口を挟んできた。
「2人居れば対応出来ない魔物が出ても君達を連れて1人が報告の為に護衛対象を連れて逃げて、もう1人が増援が来るまでの時間稼ぎが出来ますからね」
トレムさんの言葉に、皆は顔を青くする。
「2人で逃げないんですか?」
レベッカが尋ねると、トレムさんはニコリと笑う。
「一般市民を守るのが仕事ですから、逃げる訳にはいきませんよ。それに実力が上のもの相手に、どちらもが逃げ切れる確率は殆ど無いです」
「そんな……つまり1人は囮になって……」
デルの呟きが、静かな空気に響く。
「ま、どの隊員も時間稼ぎをしながら生き延びられる様には訓練するから、そう簡単には殺られないつもりだけどね」
僕が続けて言えば、だから不死鳥の隊員の生存率が高いんですね、とトレムさんは僕を見た。
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