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「英才教育?凄いね、カノンのお父さんは」
ロッソが言うと、ベックは、俺もそうして貰ってればなぁ、と言う。
が。
「それはいけません。魔法も使えない内からそんな思いをさせれば精神が壊れてしまう。親としては許せない行為です。カノンはよくトラウマになりませんでしたね」
トレムさんが真面目な顔で話をすると、皆がトレムさんを見た。
「ま、家の親は変わり者で、僕が物心付く前から僕を抱えて討伐依頼を受けてたりしたからね。そう言うものだって思ってたし」
僕がトレムさんの最後の言葉にそう返すと、皆は今度は僕を見る。
「そんな無茶な」
トレムさんの呟きに、そう言えば、とクランが口を挟んだ。
「カノンのお父さんって、伝説の魔闘祭で光哉先生と決勝を戦ったんだよな。そのくらい強ければ出来るのかもしれないけど、自分の親にそんな事が出来るとは思えないな」
「そうだね。トレムさんの言う通り、普通なら許されない行為だね。ま、父はギルドの創設メンバーに居たから忙しくて、子守りしながら依頼を受けまくってた、って言うのが本当の所かな。その延長で訓練したら厳しくなった、みたいな?でも他の隊員にはちゃんと安心して仕事が出来る環境が必要だからって、子供の面倒を見てくれる人を探して預かる様になったんだ」
僕が笑って言うと、だから不死鳥には託児所があるんですね、とトレムさんは頷く。
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