依頼授業は大変だ

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「あのねー、僕の役割は皆の付き添いだよ。1人で転移で来ても意味が無いよー」 そう言って話を打ち切り、見覚えのある食堂を見付けて、指す。 「あ、あの店!ボリュームがあって、安くて美味しいんだ。前に来た時に教えて貰ってさ」 それには皆が食い付いて、其処で昼食を取ろうと決まる。 よし、食事に気が向いたね。 つまらない事をウダウダ話さなくても良いからね。 「こんにちはー」 僕を先頭に店に入ると、丁度、料理を出すのにカウンター側を向いていた店主が気付き、返事をする。 「いらっしゃい!」 と、僕を覚えていてくれて、歓迎してくれた。 「って、おー、嬢ちゃんじゃないか!また来てくれたのかい!嬉しいねぇ!」 「だって此処の料理、美味しいもん。僕、魔法学園に入学して、今日は授業で依頼を受けてるんだよ。同じクラスの子も居るんだけど、席あるかな?」 1回来ただけなのに、こうして喜んでくれるのが嬉しくて、店主に説明すると。 「おー、そうかそうか!凄いじゃないか、おめでとうな!席は奥が空いてるよ!」 お祝いの言葉を貰って、奥の座敷に通された。 和風のこの店は、入口付近はテーブル席で、奥が座敷になっている。 なので皆に靴を脱ぐように言いながら、僕もブーツを脱いで座敷に上がる。
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