依頼授業は大変だ

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畳はやっぱり落ち着くなぁ。 と、皆も真似をして、ブーツを脱いで上がって来て。 僕が座布団に座ると、そうやって座るのか、と、皆も座った。 メニューは東の町の名物料理だけでなく、他の地域から来る者の為に王都でよく見る料理もある。 皆は冒険する事無く、王都の料理を頼んだが、僕は、天婦羅蕎麦を頼んだ。 前回は親子丼を頼んだんだけどね。 その後で天婦羅蕎麦を見付けて、次は絶対に頼むと決めてたんだ。 そして運ばれてきた料理を頬張りながら、皆は僕の天婦羅蕎麦に興味津々で見ている。 僕が、戴きます、と箸を持ち上げると、料理を運んできた店主が僕を指して、あ!と声を上げる。 「嬢ちゃん、どっかで見た顔だと思ったら、ハル坊そっくりなんだ!」 ハル坊? 「それってもしかして父?名前、陽真と言うんだけど」 そう言うと、ハル坊の娘かい!?と驚く店主。 僕の、戴きます、の言葉で父さまの事を思い出した様だ。 この世界では言う人はかなり少ないからな。 「そうかそうか!こんなに大きい子が居たのか!ハル坊は元気かい?さっぱりご無沙汰になっちまってさ!」 そう言う店主に、10年前に亡くなったんだ、と返すと、目を丸くして呆然とした。
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