依頼授業は大変だ

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僕は餌を4つ、それぞれのグラススネークの目の前に放って、ボールを回収。 専用のケースに入れた。 僕の真似をしてボールを持つ手を揺らそうとするロッソに注意する。 「興奮させたら何処を咬むかわからないから、手で持ってる時にそれをすると危ないよ」 「げ」 慌てて揺らそうとした手を止めるロッソ。 その間に咬み跡が8ヶ所付いたのが見えたので、もう回収して良いよ、と言うと、ロッソも餌とボールを交換して、ボールをデルが差し出したケースに入れた。 そして素早くその場を離れる。 ケースに入ってるボールが3つあるのを確認して、デルがボックスに仕舞った。 草むらの坂を登り、月見が原を出て街道を歩く。 町の門が見えて、此処で皆はホッとした顔をした。 ギルドカードを見せると、門番が声を掛けてきた。 「上手く採取は出来たかい?」 「はい、無事に採取出来ました」 「良かったな、お疲れさん。通って良いぞ」 代表してデルが返事をすると、労いの言葉と共に通行許可が出た。 有り難うございます、とそれぞれお礼を言って通り抜けると、今度こそ安心した様に皆は、ハァッ、と息を吐いた。 「終わったー」 うーん、と伸びをするベックに、デルが苦笑いする。 「学園に帰るまで終わりじゃ無いよ」 「そうよ、依頼の品物もギルドに納めないといけないし」 レベッカもベックの肩をポンポンと叩き、しっかりしてね、と言った。
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