依頼授業は大変だ

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取り敢えず、隣の通りにあると言う『みやび』に行ってみる。 と、2人部屋と4人部屋が1つずつ空いてるそうで、泊まる事に。 1人部屋はいくつか空いているので、僕とトレムさんは1人部屋を頼もうとしたが。 一緒に泊まれば料金が割引されると聞き、学生の彼等は少しでも安く泊まりたいと僕達に頼んできた。 それを了承した僕とトレムさん。 ベッドが足りないが部屋は広めに作ってあるので、ソファーを使えばもう1人ずつ増えても問題無い。 「でも1人部屋を頼もうとするなんて、カノン、そんなにお小遣い貰ってるの?」 「ギルドの依頼で稼いでるからね、小遣いは貰ってないよ」 羨ましそうな顔のレベッカの質問にそう答えると、皆は意外そうに僕を見る。 「ギルマスの娘なのに小遣いは貰ってないのか?」 クランが聞いてくるから、ギルドの依頼を受けられるメンバーは全員貰ってない、と答える。 「養子でも、ギルドの他の孤児と同じだよー。ある程度大きくなれば、依頼を受けられなくてもギルド内の雑用をして稼ぐ事も出来るし、貰ってるのは小さい子だけだね」 続いた僕の言葉に、唖然とする皆。 「苦労してるんですね」 「それでも自分で稼ぐ道が有るんだから恵まれてるよ」 トレムさんの呟きにそう返すと、皆は黙ってしまった。
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