依頼授業は大変だ

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「そうなんだ」 ベックの目がお饅頭に釘付けになる。 と。 「大きさが違うだけで、此方と部屋の感じはあまり変わらないな」 ロッソの呟きで目的を思い出した皆は、確認が済んだなら此方の部屋に移動しようか、とのデルの提案に同意した。 広めとは言え2人部屋では、皆で入ってみると流石に狭い。 ついでに男子達がお菓子を食べたがったからな。 で、直ぐに男子の部屋に移動する。 と言っても、直ぐ其処の、斜め向かいの部屋だった。 中に入ると、4人部屋とは言え8人で居ても充分な広さがある大きさで、机も2つ置いてあった。 僕はトレムさんと男子達にほうじ茶を淹れて、机の所の椅子に座る。 もう1つの机の所にトレムさんが座り、残りでソファーに座った。 旨い、とお饅頭を頬張る男子達を眺める女子2人は、お饅頭をお土産に買って帰ろうか、なんて話をしている。 ずっと緊張状態だったからか、のんびり出来てホッとしているのがわかる。 明日は朝早くに出て、また野宿する事になるからな。 今の内に気を休めなよー。 そんな事を思いながら、僕はボックスからさっき採取したグラススネークの毒の入った保存ケースを取り出す。 他にも小鉢やナイフ、スポイトや空のビン、必要な薬品等も出して、机に並べると、其処を結界で覆った。
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