依頼授業は大変だ

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「もしかして毒の抽出ですか?」 僕を見ていたトレムさんに尋ねられ頷くと、皆の視線も僕に向いた。 「毒をを取り出して、麻酔薬として使える様にするんだよ」 僕は結界に手を入れ、保存ケースからゴムボールの1つを取り出して、真ん中にナイフを刺して半分くらい切り込みを入れて、其処から毒を小鉢に垂らしていく。 次に小鉢に麻痺毒の効果を失わずに殺菌出来る薬剤を入れて混ぜ、原液のままでは使えないので、希釈する溶液を入れて、また混ぜる。 小鉢からスポイトでビンに詰めて終了だ。 これを繰り返して、僕が採取したものは全て麻酔薬として使える様にした。 使用した器具を全て保存ケースに入れて、浄化の効果のある魔法陣の描かれた紙を保存ケースに張り付ける。 魔力を流してケース内部全てを浄化した。 そしてビンは麻酔薬専用のケースに入れ、保存ケースと共にボックスに仕舞った。 フゥ、と息を吐くと、手際が良いですね、とトレムさんに言われる。 「まあね、依頼の他に自分で持ってる分を作ったりするから」 そう言うと、デルがボックスから依頼の保存ケースを取り出す。 「これもそれをやるのか?色々入れてたみたいだけど」 デルの質問に、それは別依頼だからそのまま提出してね、と答える。
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