依頼授業は大変だ

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「防御を維持するのに、持久力をつけようと思って、毎日走ってはいたんだけど。こんなに速く走らないから、疲れた」 とシルビアは笑ったが。 ベックは荒い息でゼイゼイ言って、何も言えずに寝転がってる。 それ、危険だぞー。 他のメンバーは、デルは大工を継ぐのに鍛えているし、ロッソはこっそり風魔法で走行の補助をして体力を温存していたし、クランは身体強化が得意らしいから、まだかなり元気だけど。 「レベッカもまだまだ元気だねー?」 意外に思い聞いてみると、治癒魔法を使うのに体力と持久力が要るだろうと、やはり毎日走っていて、全力疾走で走れる距離を日々伸ばしてるのだとか。 「私、お医者様になりたいのよ」 その為に出来る事はやるのだと静かに言うレベッカ。 休みの日には病院に手伝いに行って勉強してる、とも。 「なら魔力量を増やすのとコントロール力を上げる訓練もしないとだね」 僕がそう言うと。 「コントロール力を上げる訓練って、カノンが今朝やってた?」 レベッカは僕が何をしてたのか気付いていたらしく、そう聞いてきた。 「そう。毎日続けてると違ってくるよ」 その言葉にレベッカは、毎日ね、とやる気満々。 シルビアも黙ってはいたけど僕を見ていたから、きっと明日からやるつもりだろう。 「どんな事をやるんだ?」 聞いてきたのはクランだが、デルもロッソも興味津々っぽい。
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