依頼授業は大変だ

39/41
前へ
/1646ページ
次へ
なので簡単に基本的な事だけ教えると、毎日続けるコツは?とロッソに聞かれる。 「僕は朝起きたらやるけど、時間とか、何かをした後とか、タイミングを決めておくと良いよ」 「タイミングかぁ」 「朝だと早起きしないとだしなぁ、夜にしようかな」 「でも朝の方がスッキリして学校に行けそうだよね」 僕の答えに、何時やるのかと考えながら呟く3人。 「ま、それは自分のペースで考えなよ」 僕がそう言うと、教えてくれて有り難う、とお礼を言われた。 ベックは面白く無さそうにそっぽを向いていたが。 彼も素直に他人のアドバイスを受け入れられる様になれば、クラス落ちの心配は無いだろうにね。 さて。 宿で作ってくれたおにぎりを食べて、再び出発。 ベックを気に掛けながら走り続ける。 が、日が沈み始めたのに王都の門まではまだ遠い。 「暗くなってしまえば危険ですが、どうしますか?」 何度目かの休憩で、トレムさんが皆に尋ねる。 皆が疲れているのに、野営も危険だけどな。 「ここまで来たら帰りたいけどな。見張りをする事を考えると、走って帰るのでも変わらない気がするし」 クランが言うが、ベックは休みたいと言う。 「えー、帰ろうよ。どうせベックは疲れきったとか言って見張りしないつもりでしょ?」 目を細めてレベッカが言う。
/1646ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2469人が本棚に入れています
本棚に追加