僕達の依頼授業は?

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「ベルラッティは逃げたの?」 「いや、ビリーが倒したそうだ。ビリーの側に原形を保ってない残骸があった」 僕の問いに答えたライルの肩をポンポンと叩き、僕はビリーの横に膝をつく。 「ビリーがリーダーだったよね?皆を守って偉かったね」 僕はそう声を掛けながらビリーの魔力を探り、ビリーに手を当て自分の魔力を流して診察する。 傷は大した事無さそうだが、毒を食らっているから、早急な処置が必要か。 僕はボックスからベルラッティ用の解熱剤を出しながら、傷から毒を出す様に魔力をコントロールしていく。 そこにケルベロスの医務室勤務の医師が駆け付けてきたが。 僕を見て、戻ろうとするので止める。 「ベルラッティです。毒を出すので、傷にタオルかガーゼをお願いします」 そう言うと、ついてきた助手が袋を持って側に来て、タオルをビリーの傷に当てた。 傷口からベルラッティの毒を排出していく。 どんどん紫色に染まるタオルに、皆が無言になる。 毒を出しきって、体内に毒が残っていない事を確認して、タオルを外して貰う。 助手はタオルを袋に入れて厳重に袋を縛った。 ビリーは少し楽になったのか、キーナを呼ぶ。 心配なのだろう。 だから、まずは薬を飲ませる。 先に安心させると、それで意識を手放してしまうからな。
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