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「薬、苦いかも知れないけど、飲んで」
ライルにビリーの上半身を少し持ち上げて貰い、薬をビリーの口に流し込む。
ゴクン、と喉が鳴ると顔を顰めたが、ちゃんと飲み込めた様で。
「にっがぃ」
涙目で呟いている。
傷口の紫色が薄まってきたのを確認して、ロイス特製の塗り薬を傷口に塗って包帯で巻く。
これでもう大丈夫だろう。
「治療は終わり。明日一日大人しくしてたらもう大丈夫だよ。キーナも他の皆も無事だから、安心して」
そう言ってあげると、安心して目を閉じて、直ぐにスヤスヤ眠り始めた。
「お疲れ。居てくれて助かった。サンキュー」
ライルがホッとして言うから、ライルもお疲れ、と返しておく。
残りの皆がニーグから事情を聞かれていると、医師が、助かりました、と声を掛けてきた。
ケルベロスは獣人の隊員も少なからず居て、治療が大変だと言う事は無い筈なんだけどな?
不思議に思うと。
「此処にはベルラッティの解熱剤が無くて、病院に運ぶしかありませんでした」
そう言われた。
へ?
「先日、大量発生して隊員が討伐に向かい、何人も負傷者が出まして、ストックが無かったのです。素材の依頼を出しているのですが、討伐に手を取られている様で……」
困った様に言う医師。
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