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僕は、あー、と状況を理解した事を伝え。
ボックスから出した数本の解毒剤の瓶を渡す。
「取り敢えずこれだけ渡しておきます。素材は不死鳥にあるので、分けて貰って下さい」
そう言うと、貰っても大丈夫なのですか?と聞かれるので、まだ有りますから、と答える。
医師は助手と共にお礼を言って、ストレッチャーにビリーを乗せて医務室に戻って行った。
と、呆然とするトレムさんと目が合う。
「まさかカノン、医師の資格を?」
僕は頷いて、内緒ですよ、と笑う。
そうすればトレムさんは絶対に誰にも言わないからね。
ニーグと共に僕の方を向いていたキーナ達は、今の話を聞いていたらしく。
絶対に誰にも言わない、と声を揃えた。
可愛いなぁ。
それからお礼を言いまくるキーナ達をニーグが寮に帰して、一段落。
念の為にビリーは一晩、此処の医務室にお泊まりだ。
今、僕はライルが報告書を書くのを眺めている。
彼等は向上心があって、そう言う意味では楽だったらしい。
ベルラッティに遭遇しなければ良かったんだけどな、と愚痴るライル。
キーナが遭遇しビリーが倒した瞬間は、ライルはその前に遭遇した他の魔物の群れと戦っていたそうで、ケルベロスの隊員も他の魔物と応戦中だったらしい。
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