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シヴァルめ、任務が溜まるからって直ぐにやらせる事は無いだろうに。
「明日の昼に帰って来てたら、少しは休めたのにな。あの人の言う通り、今夜中に全員が帰ってくるんだもんな」
続いた言葉に、皆はげんなりした。
チームメンバーの事を思って急いだ結果で自分達の首を締めた事と、その行動をシヴァルに読まれていた事に。
流石は育ての親だよ。
「つまり夜中にやらないといけない依頼な訳だな」
ライルが代表してニーグに尋ねると。
「そうだ。これな」
そう言って依頼書がテーブルの上に出される。
覗き込めば、書かれた内容は『満月の夜にのみ、岩山の山頂で飛び回るムーンバットの捕獲』だった。
「ムーンバット……確かに今夜か明日の夜が丁度のタイミングか」
ライルの言葉に、ならさっさと行っちゃおうよ、とクリス。
「そうだねー。僕も眠いし、サクッと終わらせよう」
僕の言葉に、意外そうに見る皆。
なんだよー。
「あー、ビリーの治療をさせちゃったから」
ライルが思い出した様に言うと、皆も納得し掛けたが。
「や、それじゃなくて、精神的に疲れたから」
そう言ってテーブルに突っ伏す。
ニーグが苦笑いで、理由がわかる僕の書いた報告書を、皆に見せた。
「うわぁ、大変だったね、カノン」
クリスが言うと、聖雅が頭を撫でてくれた。
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