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「チョコ有りますよ」
不意に現れた魔力の持ち主から、声を掛けられる。
「あれ?幸宏、どうしたの?」
顔を上げると、幸宏がチョコを差し出していた。
それを貰って食べる。
「ビリーの様子を見に来たら、カノンが疲れている様でしたからね」
微笑む幸宏に、有り難う、と言うと、頑張って下さいね、と医務室に消えて行った。
忙しいのに有り難い。
ん、少しは元気出たな。
「カノンも大丈夫そうだな。直ぐに行くなら、トレムとディネルを呼ぶぞ」
僕を見て言うニーグに、僕は驚く。
もう一人の付き添いがまさかディネルとは。
任務があるだろうに。
「大丈夫なのか?ディネルを付き添いに出して」
僕の問いに、ニーグは、何を言う、と呆れる。
「ディネルくらいじゃないとお前らの動きを全部把握出来ないだろ」
「イヤ、学生レベルに下げてるが?」
ライルがニーグに異を唱えるが、ちゃんとレベルが落とされてるかも見るからな、と言われ、成る程、と納得した。
「それでは行きます。ニーグ先生、付き添いの方をお願いします」
ライルが生徒らしくニーグに頼んだ。
それにちょっと違和感を感じたのか、引き攣るニーグ。
「お、おう」
頷くと、一度帰ったトレムさんと、ディネルに念話して呼び出した。
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