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「え、これから行って、カノンは大丈夫なんですか?」
来るなり僕を見て言うトレムさん。
トレムさん自身は大丈夫なのか、と僕が聞きたい所だ。
「大丈夫」
そう答えると、ディネルが笑う。
「このくらい、なんでも無いだろ?」
「まあ?」
《学生レベルに落としてるんですから、余計な事を言わないで下さいね》
口で曖昧に答えて、念話でディネルに釘を刺しておく。
《お、おー》
かなり引き攣った笑みで念話を返してきたディネル。
父さまをよく知ってるからな、丁寧な言葉の方が効果があるよな。
「俺がリーダーのライルです。宜しくお願いします」
ライルの言葉に、皆で、お願いします、と頭を下げる。
「ディネルだ、宜しく」
「トレムです。宜しくお願いします」
ディネルとトレムさんも挨拶をして、依頼書を確認した。
「時間的に、走っても間に合うかな」
ディネルの言葉にトレムさんは、厳しいのでは?と言うが。
「こいつ等は全員不死鳥のAランク隊員だ。問題無い。トレムがついて来られるかの方が心配だな」
ニヤリと笑うディネル。
多少の事なら、不死鳥の隊員だからと誤魔化す作戦の様だ。
そしてそれで納得しているトレムさん。
良いのか、それ(笑)。
ま、不死鳥の隊員が実際のランクよりも実力が有るのは本当の事ではあるのだが。
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