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人間と違って、殺気を向ければ逃げるものも居るんだけど……Aランク隊員程度の殺気だと、この地域の魔物にはあまり効果は無いかな?
トレムさんは兎も角として、僕達はまだまだ余裕で走れるので、一度立ち止まりはしたものの、全員で目線を合わせると頷いて、再び走り出した。
細いとは言え、一応はちゃんとした道なので、走り易い。
なので、横の林から襲ってくる魔物を殴り飛ばすのも楽だ。
ちゃんと林の中の仲間の所に戻してるから、続けて襲って来ないし。
ディネルはそれを見て口笛を吹いているが、トレムさんは何故かショックを受けている様だ。
「イヤー、しかし可憐な少女が魔物を平気で殴り飛ばしてるのは清々しいねー。流石は不死鳥だよ」
ディネルの言葉にトレムさんがピクリと肩を揺らしたのを見ると、ハンナが僕達と同じ事を平然とやってのけてるせいらしい。
見た目から、魔法を中心に使うと思った様だが。
ハンナが武術部隊の5番隊副隊長だってわかったら、どんなになるんだろうねー?
見た目で判断しちゃいかんよー。
そうしている内に林は森になり、足元は草が繁る獣道になっていた。
その中をスピードを落とさずに走る僕達だが、ディネルに声を掛けられる。
トレムさんが遅れ気味の様で、少し休憩を入れよう、と。
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