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トレムさんは、足を引っ張る訳にはいかないと言い、拒否するが。
取り敢えず立ち止まり、一息入れる。
んー、確かに疲れてハァハァ言ってるけど、体力的にはまだまだ大丈夫そうだよな。
スピードの問題か。
「持久力は有るだろうから、少しスピードを落とせば、余裕でついて来られるんじゃないかな?」
僕がトレムさんに尋ねると、ええ、と答え。
トレムさんを知らないライルは、無理を言うな、と僕を窘めるが。
「トレムは遺跡調査の為に何日も狭い場所を走り回り続ける事もあるんだ。持久力は有る。スピードが落ちれば大丈夫だよ。お前等が思ったより速く走るから、大変だっただけだ」
ディネルの言葉に、あー、と苦笑いする。
学生の出すスピードじゃないぞ、と暗に言われてライルは、じゃあもう少しゆっくり行きます、と返していた。
しかし正臣と聖雅は平気であのペースについてこれてたな。
息一つ乱れてない。
流石に光哉や父さまに鍛えられてるだけはあるか。
これで息が上がってたりしたら、どんな特訓を追加されるかわからないし。
それを考えるとちょっと恐ろしいから、心から良かったねと言いたい。
で。
ちょっとの休憩でトレムさんの息も落ち着いたので、再び走り始める。
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