僕達の依頼授業は?

17/19
前へ
/1646ページ
次へ
先程までよりペースを落としたから、今度はトレムさんもちゃんとついて来ている。 そして少し走った所で突然、視界が開けた。 目的地の岩山だ。 このまま行くぞー。 ライルが後ろを向いて、口パクで言うから、皆で頷く。 此処からはなるべく音を立てずに移動する事になる。 隠れる樹木が無いから見通しが良すぎて、姿勢を低くしなくてはいけない。 そんな状態で、物音に反応したターゲット以外の魔物に集まって来られても面倒だ。 なので、此処からはなるべく気配を消して(3年生の優秀な生徒が出来るレベルで)、足音も気配と同様に立てずに、慎重に進んでいく。 加減が面倒なのは僕だけではない様で、皆の顔がげんなりしているが、それがトレムさんから見ると、頑張っている様に見えたらしい。 あとからディネルに聞いた話では、応援する様な顔で見守ってくれていたとか。 良い人だよねー。 どうせディネルはニヤニヤしてたんだろうね。 努力(実力を抑える)の甲斐があって(?)、魔物に遭遇する事は無く、山頂付近に差し掛かる。 すると、チョロチョロと飛び回る影が見えた。 ターゲットのムーンバットだ。 僕達は顔を見合わせて、二手に分かれた。 風属性を持っているクリスと全属性の正臣と聖雅が、風魔法で強めの風を送り、ムーンバットを風下に追い込む。
/1646ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2469人が本棚に入れています
本棚に追加