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「まだ討伐依頼は出てないんだ。対策を、と言われて様子を見に来たんだよ」
「『まだ』、か。討伐されるのは時間の問題じゃったのかの」
僕が説明した事に、クリスタルスネークは頭を振った。
居候させてくれて、更には自分に協力してくれているアイスドラゴンを危険に晒したと理解し、本当に済まなかったの、と謝っていた。
「チビも、飛ぶ練習中に我の同種を見付けて追い掛けて行って、あの様な事になってしまったらしいのじゃ」
つまり、あの辺りに居たと言う事か。
「わかったよ、見てくる。兎に角、絶対にアイスドラゴンを麓に行かせちゃ駄目だからね」
そう念を押して、僕は巣から出る。
山頂に転移して、さっき子ドラゴンが居た棚の岩を覗き込んだ。
さっきもそうだけど、クリスタルスネークの姿は無い。
何処かに横穴でもあるのか?
クライミングで、岩に降りてみる。
落ちるのは嫌だから、少しずつゆっくりと体重を掛けて。
さっきはミシミシしてたけど、僕だけなら余裕で大丈夫そうだな。
そうして崖の壁に横穴が無いか探してみる。
と、岩の端ギリギリの所に小さな横穴を見付けた。
四つん這いで何とか入れる大きさかな。
僕は頭を入れて覗き込んだ。
気配は無いから、居ないのはわかってるんだけどな。
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