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其処を塒にしているならば、何か痕跡が有るだろうし、それなら此処に戻ってくるだろう。
無ければ他の場所に探しに行かないといけない。
すると、アイスラットの骨が転がっているのが見えた。
それから、アイスバードの卵が転がっている。
あ、穴の中は、氷のお陰で光が乱反射していて、明るいから、よく見えるんだよ。
卵は割れておらず、これなら戻って来るかな?と思っていると。
「我が家に何の御用かな?」
後ろから声がした。
あれ?
感知を外した覚えは無いんだけど、気付かなかったぞ?
のそのそと四つん這いでバックして、穴から顔を出すと。
クリスタルスネークの長の娘より一回り大きいクリスタルスネークが、鎌首をもたげて此方を見ていた。
凄い。
魔力も気配も消してる。
普通のクリスタルスネークではないな。
「こんにちは。黙ってお邪魔してしまって済みません。あなたはクリスタルスネークですか?」
僕がその場に座って挨拶をすると、クリスタルスネークは頷いて。
「そうだが、御前さんは?」
聞かれて苦笑いする。
「失礼しました。ギルドで0番隊隊長をしています、虹の奏者と申します。実は依頼を受けてこの山に来たのですが、その関係でクリスタルスネークに出会いまして。彼女に婿になる相手を探して欲しいと頼まれたんです」
事情を話せば、それは、と何かを思案するクリスタルスネーク。
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