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と。
「実は私も嫁を探していて、同胞の匂いに誘われてこの山に来たのだが、出逢えなくてな。出来れば会わせて欲しい」
クリスタルスネークはそう申し出て、僕の側に寄ってくる。
これは好都合、性別を確認する手間と説得する手間が省けたよ。
「わかりました。お連れします。その前に貴方の事をお聞きしても?魔力も気配も感じられないのですが」
そう尋ねるとクリスタルスネークは、実は、と笑った。
「私はミラージュスネークとのハーフなのだ」
「はぁっ!?ミラージュスネーク!?」
ミラージュスネークは、存在を認識されない鱗で覆われていて、魔力も気配も感じさせないのた。
リュンクよりは若いけど、かなり古くからこの世界に生きている者。
この世界にたった1匹しか居ないので、リュンクとも仲が良い。
「それって、ラジの息子って事?」
驚く僕に、父を知っておるか、と目を細めた彼。
名を言った事で知り合い認定されたのか。
「一応、ジュナと名を貰っていてな。そう呼んで欲しい」
名前を教えて貰ったよ。
「リュンク」
僕がリュンクを呼べば、なんだ?と姿を現す。
「ラジに息子が居たの、知ってる?ジュナだって」
僕の問い掛けに驚いているリュンク。
知らなかったのか。
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